うみへ日記

日本の古典を硏究してゐます。YouTube「神社のお話」といふチヤンネルもよろしくお願ひします。

2020-01-01から1年間の記事一覧

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十七 天平󠄃賀(あめのひらか)

天平󠄃賀(あめのひらか)。天神の訓へに從ひ、土師物忌父宇仁(うに)の埴土(はにつち)をとつて、天平瓦を造る。諸󠄃神を敬祭し、宮ごとに八十口。柱のもとや諸々の木の下に置く。これは天下泰平の吉瑞である。諸󠄃神が寶器を受け入れるのである。 時に大佐…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十六 心の御柱

心御柱。一名天御柱。また天御量柱。 所謂、天の四德、地の五行にかなひ、徑四寸、長さ五尺の御柱である。五色の絹を以て覆ひ、八重榊で飾り申し上げる。これぞ、伊弉諾伊弉冉尊󠄄の鎭まる所󠄃である。陰陽變通の本基である。諸󠄃神が化生した心臺である。すべ…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十五 棟梁の文様

寶宮の棟梁の天表(あまつみしるし)の文樣 天照太神宮の形は日天尊󠄄位を象る。 止由氣太神宮の形は月󠄃天尊󠄄位を象る。 天神地祇八洲を輝かし、形體を利す。ゆゑに皇天は永遠にをられ、日月を配して地上の昏衢(こんく)を照らす。國家天地と共に天皇の御代…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十四

聞くところによると、天地が分かれず、陰陽が分かれてゐない時を混沌と名づける。萬物の靈は封じられて虚空神と名づく。また大元の神といふ。また國常立神といふ。またの名を俱生神といふ。奥深い道理、萬物の源泉をなす氣がさかんな中、虚でありながら靈が…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十三

皇天が倭姬󠄃内親王に託宣された。「それぞれの者󠄃たち、考へてみよ。天地が大冥の時、日月星の神姿を虚空に現した時のことである。神は足で地を履み、天御量(あまのみはかり)を中國(なかつくに)に建てて、来し方行く末、全土を見られた。天照太神は悉く…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十二

また、神嘗祭の夜、宇賀魂の稻の靈を、初めて天つ水田の稻種の初穂を供進󠄃し、(赤丹穗にかむかひに)永遠の御饌と大神の廣前に山のやうに置き、讃える言葉を盡してお祭りした。天神がおつしやられた。「口女魚(黒鯛)と海鼠(なまこ)を供進󠄃してはならな…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十一 日別朝󠄃夕大御饌祭

天照皇太神の御前󠄃に、御飯二八具、御水四もひ、御鹽(しほ)四杯、諸々の御贄類、御河の年魚等をお供へする。 止由氣皇太神の御前に、御飯二八具、御水四もひ、御鹽(しほ)四杯、諸々の御贄類、御河の年魚等を御供へする。 相殿神の御前に、三八具、御水六…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十 

これ以降、但波眞井石井(たにはのまなゐのいはゐ)に鎭(しづ)め移(うつ)した。水戶(みと)の神が仕へ奉つた。その後、眞井の原より止由氣宮の御井に遷し据ゑた。二所󠄃皇太神の朝の大御饌、夕の大御饌と八盛󠄃りに移し据ゑて、每日二度供進󠄃した。凡そ、…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十九 天村雲命の活躍二

御祖󠄃の天照皇大神、天御中主皇大神、正哉吾勝尊󠄄(まさやあかつのみこと)、神魯岐(かむろぎ)神魯美(かむろみ)尊󠄄が相談されて、おつしやられた。「様々な政治に必要なことを敎へたが、水取(もひとり、飲み水)のことをもらしてしまひ、また天下が飢餓…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十八 天村雲命の活躍

御井水は天孫降臨以來、天村雲命が琥珀の鉢で管理されてゐる。金剛夜叉神の變化(へんげ)するところである。徑一尺八寸。天降られて留まつてゐる。守護のために七星、十二神が羅列してゐる。光明は明星のやうである。皇太神、天孫が天降りされた時、天村雲…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十七 外宮先祭の託宣

天照皇太神重ねて託宣された。「わが祭りに奉仕するときは、先に止由氣皇太神宮(とゆけのすめおほかみのみや)を祭れ。その後にわが宮の祭祀に奉仕せよ。」故に諸󠄃祭は止由氣宮が先なのである。また止由氣太神一所󠄃が御鎭座の時に占ひをさせて、雄略天皇が…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十六

また天神のをしへに隨ひ、土師(はじ)氏を物忌職として、天平󠄃瓫(あまのひらか)はじめ諸󠄃土器類を造つて供進した。また開化天皇の御孫丹波道󠄃主貴の子孫の八少女に寶殿の御鑰(みかぎ)を下賜して、寶殿を開かせた。また素戔嗚尊󠄄の子である氷沼道主(ひ…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十五 

天皇は倭姬󠄃命に詔された。「男の弓弭(ゆはず)の物は、大刀、小刀、弓矢、楯鉾、鹿皮角、猪皮、忌鍬、忌鋤の類である。女の手末の物は、麻桶、綿柱、天機具、荒󠄃妙衣、和妙衣、荷前󠄃(のさき)の御調(みつき)の類である。天地が生み育んだものを用意し、…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十四 神楽の起源

神樂の起源であるが、昔素戔嗚神(すさのをのかみ)が日の神に對して甚だしい無禮の數々を行ひ、天照大神がお怒りになり、天岩窟(あまのいはと)に入られて、磐戶(いはと)をとぢられて、隠れられた。そして國中が晝(ひる)と夜の別も無くなつてしまひ、…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十三 

宮人はみな參り一晩中宴を催した。猿女の祖󠄃天鈿女の子孫が歌ひ手となり踊子となつた。來目命の子孫屯倉の男童が笛を吹き、琴を彈き、笙を吹き、篳篥を吹いた。全員が共に歌ひ舞つた。樂器の音は冴て、全土に廣がつた。天地の神々はのどかな陽氣を受け、實直…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十二 遷座の祝󠄃詞

神を讃美する祝󠄃詞を申し上げる、度會の山田原の地面の下の岩に太い宮柱を立て、高天の原に千木を高らかと聳てて、天皇の稱辭を盡くしてお祭り申し上げる、天照らす止由居(とゆけ)の皇大神の御前に、畏こみ畏こみ申し上げる。天照皇大神、神魯岐(かむろぎ…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十一

また素戔嗚尊の孫大土祖󠄃一座、ちまたの神大田命一座、宇賀魂大年神一座を山田原の地護神と定め御祭りした。大土祖󠄃の御神體は鏡である。大田命の御神體は石である。宇賀魂の御神體は瑠璃の壺である。また御倉神。稻靈豐宇賀能賣命。宇賀能美多麻(うかのみ…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十

天照太神の御託宣に依り、豐受太神の第一の攝神を多賀宮とした。伊弉諾尊󠄄が右目を洗はれ、生じた神を伊吹戶主神と號した。すなはち豐受大神の分身である。ゆゑに亦の名を大神荒魂といふ。止由氣宮に傍にお祭りした。御神體は鏡である。昔天鏡神が鑄造された…