うみへ日記

日本の古典を硏究してゐます。YouTube「神社のお話」といふチヤンネルもよろしくお願ひします。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その三 皇孫

昔、天照大神と天御中主神とは高天原の神々の御意向を受けて、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)天照大神の御子である忍穗耳尊の御子である。母は天御中主神の御子高皇産靈尊の娘である拷幡豐秋津姬命(たくはたとよあきつひめのみこと)である。に、八坂瓊の曲玉…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二 猿田彦の名のり

「押しなべて、天地開闢の事は、偉大な人々が書き記してゐる。だが、ここ伊勢の天照皇太神が五十鈴の川上に御鎭座せられ、社殿を造つた事績は書き著はされることがなかつたので、そのはじめは遙か遠いこととなつてしまひ、御鎭座のことわりは言ひにくい。ど…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その一

伊勢二所皇大神御鎭座傳記 垂仁天皇の皇女である倭姬命(やまとひめのみこと)が伊勢國度會の宇治の五十鈴川上の邊(あた)りに磯宮(いそのみや)を立てていらしやつた時に、狹長田(さなだ)の猨田彥大神(さるたひこのおほかみ)宇遲土公氏人(うぢとこの…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十九 完

天照坐二所皇太神宮御鎭座本紀の記祿は以上の通りである。 阿波羅波命(あはらはのみこと) 荒木田押刀(あらきだのおしと) 乃乃古命(ののこのみこと) 赤冠藥(せきくわんのくすり) 乙乃古命(おとのこのみこと)

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十八 多賀宮

多賀宮一座 止由氣皇太神の荒御魂(あらみたま)である。伊弉諾尊が筑紫日向小戸橘檍原(つくしのひむかのをどたちばなのあはぎはら)に至られて、禊(みそぎ)された時、左目を洗はれて日の君主を御生みになつた。大日孁貴(おほひるめのむち)であり、地上…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十七

このやうに、太玉命の御神體の玉の中には、たいへん珍しい寶(たから)もあるのである。それらは天地人にとつての幸ひである。たいへん靈驗(れいけん)あらたかである。 また、澤山の黃金の玉や装飾󠄃の玉等もある。これらは、天の岩戸開きの時、太玉命が捧…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十六 相殿その二

外宮正宮の中の右には、二座の神が鎭座する。まづ天兒屋命(あめのこやねのみこと)である。御神體は笏(しやく)であり、牙(きば)の形をしてゐる。また、丸い玉が一つ、榊(さかき)が二枝ある。 天の岩戸開きの時、天兒屋命が祝詞を奏上し、祈禱(きたう…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十五 相殿 その一

相殿(外宮の正宮に豐受大神と共に坐(ましま)す神)三座 左に一座。皇御孫尊(すめみまのみこととよむ。天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)のことである。)。御神體は金の鏡である。二面あつて、大きい方は西にあり、小さい方は東にある。西を上位…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十四 外宮の御神体

天地開闢(てんちかいびやく)の後、萬物(ばんぶつ)はそなはつてゐても、渾沌(こんとん)の前にはその闇を照らすものはなかつた。故に、萬物が生成していくはたらきは、あるやうであり、じつは無いに等しかつた。時代が下れば下るほど、自然と世界は賤(…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十三 外宮の創始

第二十一代雄略天皇の二十一年十月一日に、倭姬命は夢のお告げを受けられた。夢の中で天照大神は、「吾は天の小宮(わかみや)にゐた時の樣に、(豐受大神と)同じところにゐないので、神饌(しんせん)も安心して食べることが出來ない。丹波國与佐之小見比…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十二

第十代崇神天皇の三十九年に、天照皇太神は但波(たんば 丹波と同じ。)の吉佐宮(よさのみや)に遷(うつ)られ、そこで年月を經られた。この時に、止由氣之皇神(とゆけのすめがみ 豐受大神と同じ。)が天降られて、天照大神と豐受大神とはご協力されて、…