口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十

 天照太神の御託宣に依り、豐受太神の第一の攝神を多賀宮とした。伊弉諾尊󠄄が右目を洗はれ、生じた神を伊吹戶主神と號した。すなはち豐受大神の分身である。ゆゑに亦の名を大神荒魂といふ。止由氣宮に傍にお祭りした。御神體は鏡である。昔天鏡神が鑄造された三面の眞經津鏡があつた。一面は天御中主の寶鏡である。二面は伊弉諾伊弉冉尊が共に左右の掌に持つた鏡であり、日神、月󠄃神が生まれた寶鏡である。一面は荒祭神の御神體である。

 

また天照太神の相殿に坐す神二前を止由氣宮相殿の神である皇孫命に陪從させた。ゆゑに止由氣宮相殿と號して、東西に坐す。東が皇孫命であり、西が天兒屋命。御神體は笏であり、天つ賢木をとりそへる。太玉命。御神體は瑞曲玉である。但し東の御神體は常に西の相殿と竝んで鎭座してゐる。

 

以來天手力男神、萬幡豐秋津姬󠄂(よろづはたとよあきつひめ)命を天照皇太神の相殿の神とした。元々は御戶開神と號す。