口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十三

皇天が倭姬󠄃内親王に託宣された。「それぞれの者󠄃たち、考へてみよ。天地が大冥の時、日月星の神姿を虚空に現した時のことである。神は足で地を履み、天御量(あまのみはかり)を中國(なかつくに)に建てて、来し方行く末、全土を見られた。天照太神は悉く高天の原を統治され、天統は輝き、皇孫尊󠄄(すめみまのみこと)は專ら葦原中國を統治されて、日嗣(ひつぎ)を受けられ、聖明の及ぶところ、平󠄃らかに屬さないものはない。宗廟社稷の靈、一を得て二無しの盟(ちか)ひ、百王の鎭護は甚だ明らかである。是を以て、人は天地に基づき命を續け、皇祖󠄃を祀り、德を示し、その根源を深く知り、祖󠄃神を敬ふ。四方の國より朝貢して来る者󠄃に天位の貴きことをみせしめ、大業を弘め、天下を明󠄃るくする。そもそも、天に逆らへば道󠄃なく、地に逆らへば德がない。本居から追ひ出され、根國に没落する。情を天地に齊しくし、思ひを風雲に乘せれば、道󠄃に從ふ本と爲る。神を守る要と爲る。澤山云はれてゐる雜說󠄁を除いて一心の基準を挙げ、天命を割り當て、神の氣を經驗し、理實は灼然となる。ゆゑに神を祭る時は淸淨を先とし、我が鎭めに一を得ることを念とする。神主部、物忌たちよ、諸󠄃祭の齋みの日には穢れ、惡事に觸れてはならない。佛法の言葉を用ゐない。肉を食べない。また神甞會の日に至るまで、新米を食べない。常に心を静謐に保ち、愼しみ掌を攝し敬拝し、齋み仕へる。