うみへ日記

日本の古典を硏究してゐます。YouTube「神社のお話」といふチヤンネルもよろしくお願ひします。

外宮

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十九 天村雲命の活躍二

御祖󠄃の天照皇大神、天御中主皇大神、正哉吾勝尊󠄄(まさやあかつのみこと)、神魯岐(かむろぎ)神魯美(かむろみ)尊󠄄が相談されて、おつしやられた。「様々な政治に必要なことを敎へたが、水取(もひとり、飲み水)のことをもらしてしまひ、また天下が飢餓…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十八 天村雲命の活躍

御井水は天孫降臨以來、天村雲命が琥珀の鉢で管理されてゐる。金剛夜叉神の變化(へんげ)するところである。徑一尺八寸。天降られて留まつてゐる。守護のために七星、十二神が羅列してゐる。光明は明星のやうである。皇太神、天孫が天降りされた時、天村雲…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十七 外宮先祭の託宣

天照皇太神重ねて託宣された。「わが祭りに奉仕するときは、先に止由氣皇太神宮(とゆけのすめおほかみのみや)を祭れ。その後にわが宮の祭祀に奉仕せよ。」故に諸󠄃祭は止由氣宮が先なのである。また止由氣太神一所󠄃が御鎭座の時に占ひをさせて、雄略天皇が…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十四 神楽の起源

神樂の起源であるが、昔素戔嗚神(すさのをのかみ)が日の神に對して甚だしい無禮の數々を行ひ、天照大神がお怒りになり、天岩窟(あまのいはと)に入られて、磐戶(いはと)をとぢられて、隠れられた。そして國中が晝(ひる)と夜の別も無くなつてしまひ、…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その九

雄略天皇二十二年戊午の秋九月望月(十五日)。離宮より山田原の新殿に遷られた。御船代(みふなしろ)と御樋代(みひしろ)の内に鎭め申し上げた。樋代は天小宮(あめのわかみや)の日の玉座のよそほひである。故に天の御蔭(みかげ)日の御蔭(みかげ)と…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十八 多賀宮

多賀宮一座 止由氣皇太神の荒御魂(あらみたま)である。伊弉諾尊が筑紫日向小戸橘檍原(つくしのひむかのをどたちばなのあはぎはら)に至られて、禊(みそぎ)された時、左目を洗はれて日の君主を御生みになつた。大日孁貴(おほひるめのむち)であり、地上…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十七

このやうに、太玉命の御神體の玉の中には、たいへん珍しい寶(たから)もあるのである。それらは天地人にとつての幸ひである。たいへん靈驗(れいけん)あらたかである。 また、澤山の黃金の玉や装飾󠄃の玉等もある。これらは、天の岩戸開きの時、太玉命が捧…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十五 相殿 その一

相殿(外宮の正宮に豐受大神と共に坐(ましま)す神)三座 左に一座。皇御孫尊(すめみまのみこととよむ。天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)のことである。)。御神體は金の鏡である。二面あつて、大きい方は西にあり、小さい方は東にある。西を上位…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十四 外宮の御神体

天地開闢(てんちかいびやく)の後、萬物(ばんぶつ)はそなはつてゐても、渾沌(こんとん)の前にはその闇を照らすものはなかつた。故に、萬物が生成していくはたらきは、あるやうであり、じつは無いに等しかつた。時代が下れば下るほど、自然と世界は賤(…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十三 外宮の創始

第二十一代雄略天皇の二十一年十月一日に、倭姬命は夢のお告げを受けられた。夢の中で天照大神は、「吾は天の小宮(わかみや)にゐた時の樣に、(豐受大神と)同じところにゐないので、神饌(しんせん)も安心して食べることが出來ない。丹波國与佐之小見比…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十二

第十代崇神天皇の三十九年に、天照皇太神は但波(たんば 丹波と同じ。)の吉佐宮(よさのみや)に遷(うつ)られ、そこで年月を經られた。この時に、止由氣之皇神(とゆけのすめがみ 豐受大神と同じ。)が天降られて、天照大神と豐受大神とはご協力されて、…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十一 豊受大神の続き

古い言ひ傳へによると、(天地のはじめに)大海原の中に一つのものが浮かび上がり、この形は葦(あし 今は「よし」といふ。)の芽の形の樣であつた。その中に神が成り出でられた。天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と申す。別名國常立尊(くにのとこたち…

口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十 豊受大神

天照坐止由氣皇太神(あまてらしますとゆけのすめおほみかみ)一座度會(わたらひ)郡山田原(やまだがはら)に御鎭座する。 神宮に傳はる古文書によると、昔、水の德がまだ現れてをらず、天地がまだ出來てゐなかつた時、瑞八坂瓊之曲玉(みづのやさかにのま…