うみへ日記

日本の古典を硏究してゐます。YouTube「神社のお話」といふチヤンネルもよろしくお願ひします。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 序

豐受太神御鎭座本紀一卷(以後、御鎭座本紀といふ。)は、奧書に乙乃古命(おとのこのみこと)の二男大神主飛鳥(あすか)が記したとある。ただ、今日では奧書は信じられてをらず、鎌倉初期の作とされる。この口語譯は增補大神宮叢書17 度會神道大成 前篇所󠄃…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十三 完

嘗て、大田命が皇大神宮御鎭座の時に、參上して狹長田(さながた)の御戸代田(みとしろた)を獻上して、地主となつて仕へた。三節祭と春秋の神御衣祭(かむみそのまつり)、臨時の幣帛、勅使參向の時に、太玉串と天八重榊を設けてお供へした。神代の古き制…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十二

豊受宮御井神社(とようけのみやのみゐじんじや) 右の御井は天二上之命(あめのふたがみのみこと)が琥珀の鉢で丁寧に汲み入れたもので、天より傳はつたものである。七星が羅列して護ること、天の宮の裝ひの樣である。皇太神と瓊瓊杵尊とが天下られた時、天…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十一

朝熊神社(あさくまじんじや)六座倭姬命が敬ひ祭つた神社である。 櫛玉命(くしたまのみこと)一座。倭姬命の御代に瑞玉を造つた。また、酒甕(かめ)を造つたともいふ。御神體は石である。 保於止志神(ほおとしのかみ)一座。倭姬命の御代に敬ひ祭つた神…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十

倭姬命が礒宮(いそのみや)にいらした十一月、新甞祭の夜が更けてそばの者達が退出した後に、神主や物忌たちに仰せられた。「わたしは今夜皇太神と止由氣皇太神の神勅を承けた。以下の樣に託宣された。お前たち、正明の心で聞け。人は天下の神の寶である。…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十九

興玉神(おきたまのかみ)が託宣された。天照坐皇太神は大日孁貴である。故に日天子と申す。虛空がそのご正體である。故に天照太神と申し上げる。止由氣皇神は月天子である。故に金剛神と申す。また天御中主神(あめのみなかぬし)と申す。水の惠みで萬物に…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十八

次に倭姫命は神の敎へに從ひ、また太陽と月とを生んだ神鏡を鑄造されて、朝熊山神社に安置された。またこの時に、種々の神寶を鑄造され終つた。靈石を御神體とされた。總じて、大小の神々の御神體は、或るものは高天原、地上における靈物、或るものは雄略天…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十七

神鏡の事 一面は、月よりもたらされた鏡である。圓形である。三光天子(日天子・月天子・明星天子)と五匹の飛龍が守護してゐる。これは天鏡命が鑄造した白銅鏡である。月で造られた三面の内の一つである。止由氣宮でお祭りしてゐる。大田命がいふには、崇神…