【神社のお話】稲荷神社②秦氏の来日【神社編】を公開
【神社のお話】稲荷神社①【神社編󠄃】を公開しました。
神社のお話の新しい動畫を公開しました。今回は稲荷神社を特集しました。一回では終はらないので、これから何回かに分けて見ていきます。次回は稲荷信仰のはじまりを見ていかうと思ひますが、秦氏の説明だけで終はると思ひます。一回の動画の時間を5分以内にして早く更新できるやうにしますので、今後ともよろしくお願ひします。
口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十四
聞くところによると、天地が分かれず、陰陽が分かれてゐない時を混沌と名づける。萬物の靈は封じられて虚空神と名づく。また大元の神といふ。また國常立神といふ。またの名を俱生神といふ。奥深い道理、萬物の源泉をなす氣がさかんな中、虚でありながら靈がある。一であり體がない。ゆゑに廣大な慈悲を發する。自在神力において種々の形を現し、種々の心の動きに順ひ、方便利益をなす。表れた名は大日孁貴といふ。また天照大神といふ。萬物の本體であり、萬品を度すことは世間でいふ胎兒が母胎に宿るやうなものである。
また止由氣皇太神月󠄃天尊󠄄である。地と地の間、氣の形質がまだ離れてゐない状態を渾淪(こんりん)といふ。顯現した尊形を金剛神といふ。化󠄃を生ずる本性である。萬物の惣體である。金は水にも朽ちない。火にも燒かれない。本性は精明󠄃である。ゆゑに神明といふ。また大神といふ。大慈本誓(ほんぜい)のままに、人ごとに思ひのままに寶をふらすこと、龍王の寶珠の如し。萬品を利すことは水德の如しである。ゆゑに亦の名を御氣都神といふ。金と玉とは萬の物の中で効用が甚だしい。朽ちず燒かれない。壊れず汚れない。ゆゑに名と爲した。内外表裏がない。ゆゑに本性である。いふなれば、人で金神の性を受けたものである。混沌の始めを守るべきである。ゆゑに神を敬ふときには淸淨が第一である。所謂、正に從へば淸淨であり、惡に隨へば不淨である。惡は不淨の物であり、鬼神のにくむ所である。
口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十三
皇天が倭姬󠄃内親王に託宣された。「それぞれの者󠄃たち、考へてみよ。天地が大冥の時、日月星の神姿を虚空に現した時のことである。神は足で地を履み、天御量(あまのみはかり)を中國(なかつくに)に建てて、来し方行く末、全土を見られた。天照太神は悉く高天の原を統治され、天統は輝き、皇孫尊󠄄(すめみまのみこと)は專ら葦原中國を統治されて、日嗣(ひつぎ)を受けられ、聖明の及ぶところ、平󠄃らかに屬さないものはない。宗廟社稷の靈、一を得て二無しの盟(ちか)ひ、百王の鎭護は甚だ明らかである。是を以て、人は天地に基づき命を續け、皇祖󠄃を祀り、德を示し、その根源を深く知り、祖󠄃神を敬ふ。四方の國より朝貢して来る者󠄃に天位の貴きことをみせしめ、大業を弘め、天下を明󠄃るくする。そもそも、天に逆らへば道󠄃なく、地に逆らへば德がない。本居から追ひ出され、根國に没落する。情を天地に齊しくし、思ひを風雲に乘せれば、道󠄃に從ふ本と爲る。神を守る要と爲る。澤山云はれてゐる雜說󠄁を除いて一心の基準を挙げ、天命を割り當て、神の氣を經驗し、理實は灼然となる。ゆゑに神を祭る時は淸淨を先とし、我が鎭めに一を得ることを念とする。神主部、物忌たちよ、諸󠄃祭の齋みの日には穢れ、惡事に觸れてはならない。佛法の言葉を用ゐない。肉を食べない。また神甞會の日に至るまで、新米を食べない。常に心を静謐に保ち、愼しみ掌を攝し敬拝し、齋み仕へる。
口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十二
また、神嘗祭の夜、宇賀魂の稻の靈を、初めて天つ水田の稻種の初穂を供進󠄃し、(赤丹穗にかむかひに)永遠の御饌と大神の廣前に山のやうに置き、讃える言葉を盡してお祭りした。天神がおつしやられた。「口女魚(黒鯛)と海鼠(なまこ)を供進󠄃してはならない」今に續くしきたりの起源である。
口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二十
これ以降、但波眞井石井(たにはのまなゐのいはゐ)に鎭(しづ)め移(うつ)した。水戶(みと)の神が仕へ奉つた。その後、眞井の原より止由氣宮の御井に遷し据ゑた。二所󠄃皇太神の朝の大御饌、夕の大御饌と八盛󠄃りに移し据ゑて、每日二度供進󠄃した。凡そ、この御井の水は干上がることがなく常に湧き出る。不思議なことはこの社以上のことはない。御饌以外のことに使つてはならない。また道主の子孫の大物忌の父が御井を清掃する。また、御井と御炊殿(みかしどの)との間の距離は百二十丈である。橋が十五丈である黑木丸橋。これは月ごとに修理し清掃する。雜人たちは通らず愼みてお仕へする。また天照太神が坐す南御門の御河の中嶋に、石畳を造り奉りて、黑木を以て御橋を渡し奉つて、止由氣太神の大御饌、伴󠄃神の御饌を供進󠄃した。三節󠄄祭ごとにこの橋を封鎖して、人は渡ることが出来なくなるので、潔齋をしてつつしんでお仕へした。
口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その十九 天村雲命の活躍二
御祖󠄃の天照皇大神、天御中主皇大神、正哉吾勝尊󠄄(まさやあかつのみこと)、神魯岐(かむろぎ)神魯美(かむろみ)尊󠄄が相談されて、おつしやられた。「様々な政治に必要なことを敎へたが、水取(もひとり、飲み水)のことをもらしてしまひ、また天下が飢餓に苦しむことになつてしまつた。どの神を天降りさせようかと考へてゐたが、丁度勇ましく登つてきたものだ。」とおつしやつて、天忍󠄄石(あまのおしは)の長井の水を取つて、澤山盛つて敎へられた。「この水を持つて降り、皇大神の御饌に八つ奉り、『遣水は天忍󠄄石の水』とおまじないをして、地上の國の水に灌(そそ)いで、朝夕の御饌に奉れ。」そこで、日向の高千穂(たかちほ)宮の御井を定めて崇拝し、奉仕した。