口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十三 完
嘗て、大田命が皇大神宮御鎭座の時に、參上して狹長田(さながた)の御戸代田(みとしろた)を獻上して、地主となつて仕へた。三節祭と春秋の神御衣祭(かむみそのまつり)、臨時の幣帛、勅使參向の時に、太玉串と天八重榊を設けてお供へした。神代の古き制度を今に傳へてゐる。國神(くにつかみ)の忠神である。時に雄略天皇二十二年戊午、齋内親王と神主、物忌たち、託宣を受けて、訓傳を作つた。それぞれが大切に持つて、誰にも見せず、深くしまひ込んで隱した。大神主の大佐々(おほささ)、前大神主の彥和志理(ひこわしり)、無位神主の御倉(みくら)、大物忌の酒目(さかめ)押刀目(おしとめ)達がかしこみかしこみも申し上げます。
倭姬命 璽
白髪内親王 璽
詔書。皇大神宮の前大神主の彥和志理命。謹んで大田命訓傳をたてまつります。
繼體天皇の御代の丁亥。乙乃古命の二男神主飛鳥がこれを傳へ記した。神道の敎へはただの人にはみせてはならない。