口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十一
朝熊神社(あさくまじんじや)六座倭姬命が敬ひ祭つた神社である。
櫛玉命(くしたまのみこと)一座。倭姬命の御代に瑞玉を造つた。また、酒甕(かめ)を造つたともいふ。御神體は石である。
保於止志神(ほおとしのかみ)一座。倭姬命の御代に敬ひ祭つた神社である。眞名鶴が生んだ神である。御神體は石である。懸税(かけぢから)の神である。
櫻大刀神(さくらおほとしのかみ)一座。御神體は櫻の木である。日本の櫻の木の初めで、天上より降臨した。だから花開姬命である。一座に大山祇(おほやまつみ)と竝んで坐す。
苔虫神(こけむしのかみ)一座。櫻多刀神と力を合はせて、大小の刀、鉾等をお造り申し上げた。御神體は石である。
大山祇(おほやまつみ)一座。寶鏡鑄造の功勞神である。御神體は石である。櫻神と竝んで御鎭座する。
朝熊水神(あさくまみとのかみ)一座。寶鏡鑄造の功勞神である。御神體は石である。
件の神社(鏡宮)の寶鏡二面は、日神月神を生じた白銅鏡を神託により倭姬命が製作された鏡である。天照大神が奈尾之根宮(なをのねのみや)にいらしやる時、大年神(おほとしのかみ)、大山津見(おほやまつみ)山祇(やまつみ)朝熊水神(あさくまみとのかみ)等がこの地で饗應した。故に神社が建てられたのである。