口語訳 神道五部書 御鎮座次第記その十七
このやうに、太玉命の御神體の玉の中には、たいへん珍しい寶(たから)もあるのである。それらは天地人にとつての幸ひである。たいへん靈驗(れいけん)あらたかである。
また、澤山の黃金の玉や装飾󠄃の玉等もある。これらは、天の岩戸開きの時、太玉命が捧げ持つてゐた玉である。圓形(ゑんけい)の箱は渾沌を表はす形である。ゆゑに萬物(ばんぶつ)の根源をしまつてゐることを表はす。
また、玉串内人(たまぐしうちんどとよむ。神宮で太玉串等を管理する神職である。)が奉仕する眞賢木五百͡箇御統玉(まさかきのいほつみすまるのたま)と申すのも、この緣である。
解說
このあたりは漢文がひどく亂れて譯しにくい。太玉命の御神體は澤山の曲玉が束になつたもので、その玉の中には、たいへん貴重なものもあるといふのである。みすまるの玉とは、澤山の玉が束になつたもので、古代祭祀にはよく用ゐられた。