うみへ日記

日本の古典を硏究してゐます。YouTube「神社のお話」といふチヤンネルもよろしくお願ひします。

2018-01-01から1年間の記事一覧

口語譯神道五部書 御鎭座次苐記 其の四

また、眞經津鏡(まふつかがみ)ともいふ。 天照太神が天岩窟(あめのいはや)に入られ、磐戸(いはと)を閉ぢられておかくれになつた。天地四方が眞暗闇(まつくらやみ)となり、晝(ひる)と夜との區別が無くなつてしまつて、何事をするにも松明を燃やさね…

口語譯神道五部書 御鎭座次苐記 其の三

日の神が天位に即かれた時(又は、天の岩戸を出られた時)、天照大日孁貴は止由氣(とゆけ)皇大神と豫め、世には明かされてゐない大切なお約束をされ、長く天下を統治されて以降、 高天原に留まられてゐる神々の御命令により、八百萬の神々を天の高市といふ…

神道辭典の主基の解說について

日本書紀の天武天皇五年九月丙戌(二十一日)の記事に以下の如くある。 丙戌。神官奏テ曰。爲新甞卜國郡也。齋忌齋忌。此云踰旣。則尾張國山田郡。次次。此云須岐。丹波國訶沙郡。並食卜。 謹譯 二十一日。神官が天皇に以下の樣に奏上した。新甞祭のための國…

口語譯 天照坐伊勢二所󠄃皇太神宮御鎭座次苐記 其の二

故に伊弉諾尊󠄄(いざなぎのみこと)と伊弉册尊󠄄(いざなみのみこと)とは、お喜びになられておつしやられた。「われらの子ども等は澤山ゐるけれども、この御子の樣に靈妙な御子はゐなかつた。この地上に長く留めておいてはならぬ。當然早く天にお送りして天…

口語譯 天照坐伊勢二所󠄃皇太神宮御鎭座次苐記 其の一 大日孁貴の御誕生

天照坐皇太神一座 伊勢國度會郡宇治鄕五十鈴河上に鎭座する 神宮に古より傳はる書物によると、伊弉諾尊が「我は地上を統治する優れた子を産まうとおもふ。」とおつしやられた。そこで左手に銅鏡*1をお持ちになつた。天鏡命の造られた三面の寶鏡の一つである。…