口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十五

高貴神(たかぎのかみ 高御産靈尊)が託宣されて、大土祖衢神(おほつちみおやちまたのかみ)等に告げさせられた。「天照太神は火の氣を掌る神で、本來の光を柔らげられ、地上の不淨な塵に身を置かれながらも、萬民の願望を充足される。止由氣太神は水の氣を掌られて、萬物を長く養はれる。故に兩宮は八百萬の神々の根源であられ、君臣上下の元祖である。天下の大廟であり、國家の社稷(土地の神、五穀の神)である。故に兩宮を尊敬するに當たつては、禮儀に關する敎へを第一としなければならない。故に天皇は自ら耕し、神明に供へて、皇后は自ら養蠶して、祭服を供へられる。さうして、一年に樣々な祭をし、君德は神の御心と合ひ、天地とも合ふのである。君德が天地と合ふ時は、君としてふみ行なふべき道は明らかであり、人々は豐かになる。大神の前にたてまつる物は、麻布、絹布、赤曳きの絲、靑海󠄃原のひれの廣い魚、狹い魚、沖の海󠄃藻、海󠄃邊の海󠄃藻、山野のものは、甘い野菜、辛い野菜で、御神酒は甕にいつぱいに入れて澤山竝べて、天皇の御治世をとても長く、堅固で永遠に續く樣にお守りくださり、生き生きとした御代になる樣に祝福くださいと壽詞を唱へよと御命令になられた。