口語訳 神道五部書 御鎮座次第記 その十四 外宮の御神体

天地開闢(てんちかいびやく)の後、萬物(ばんぶつ)はそなはつてゐても、渾沌(こんとん)の前にはその闇を照らすものはなかつた。故に、萬物が生成していくはたらきは、あるやうであり、じつは無いに等しかつた。時代が下れば下るほど、自然と世界は賤(いや)しくなつて行つた。

 

そんな時に、國常立尊(くにのとこたちのみこと)の生みなさつた神が、高天原の神々の御意向を受けて、三面の眞經津(まふつ)の鏡を鋳造された。故にその神の名を天鏡尊(あめのかがみのみこと)と申すのである。

 

この時に神道は明らかに現れて、空には天文が現れ、地上の地理もそなはつたのである。

 

その三面の鏡のうち、最も優れた鏡が外宮の御神體である。圓形(ゑんけい)である。黃金の樋代(ひしろとよむ。器のことである。)にお納めしてゐる。