口語訳 神道五部書 御鎭座次苐記 其の五

天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は、天照大日孁貴の御子である天忍穗耳尊(あめのおしほみみのみこと)の御子である。瓊瓊杵尊の母は萬幡豐秋津姫命(よろづはたとよあきつひめのみこと)である。つまり天照大日孁貴と止由氣皇太神(別名は天御中主神)とは天孫の御先祖である。故に高皇産靈神は皇親神とされる。親といふのは先祖の事をいふ。であるから、二柱の始祖神の御名を取つて皇御孫命(すめみまのみこと)と申すのである。槪して、德が天地に合ふ者を皇とし、智が神靈に合ふ者を命とする。大とは自由自在に變化適應する道である。神とは申のことである。天の磐門(いはと、高天原と現實世界との境)を開かれて、雲の道をひらき、神々が先ばらひをしながら、空に幾重にも重なる雲を搔き分け搔き分けされながら、筑紫(九州)の日向の高千穗の槵觸峯(くしふるたけ)に天降りなされた。

 

解說

この段は、有名な天孫降臨を描いてゐるが、八咫鏡高天原から地上に降臨された由緖を說くことが、主な目的である。割註(わりちう 小さな字のところ)は、特に後半の文意が不明瞭である。