口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その五󠄀

雄略天皇二十一年十月朔、倭姬󠄀命に夢のお告げを受けられた。皇太神吾󠄀は天󠄀の小宮󠄀に坐す樣󠄂に、天下でも一座のみで坐したくない。御饌も安心して召し上がれぬ。丹波國與佐の小見比󠄀沼之魚井に坐す道主(みちぬし)の子八乎󠄀止󠄀女(やをとめ)の祀る御饌都…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その四

垂仁天皇二十一年丁巳十月甲子、天照太神が但馬の吉佐宮から度相󠄀の宇治の五十鈴(いすず)の河上に遷られ、鎭座された。

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その三

この時、天照皇太神と止由氣大神とは、輝きを合はされ、德󠄀をひとしくされてをられた。天上のよそほひの樣󠄂に一所に二座竝んでをられた。和久產󠄀巢󠄀日(わくむすひ)神の子の豐󠄀宇可能賣󠄀(とようかのめ)命、屋船稻靈󠄀神である。五穀を產󠄀んで、善󠄀い酒󠄀を…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その二

崇神天皇三十九年壬戌、天照大神は但馬(たんば)の吉佐宮(よさのみや)に遷られた。その年、止由氣皇太神が秘密の契約を結んで天降られた。その時に大御食津臣命と建御倉命と中臣の先祖、屋船命(やふねのみこと)草木の靈である。今の度相郡に鎭座する淸…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 その一

この世界の始まりに、大海の中に一つの物があつた。浮かんでをり、形は葦の芽󠄄の樣であつた。その中に神がお生まれになつた。その神の御名は天御中主神である。故に豐葦原中國といふ。またそれによつて豐受皇太神と申し上げる。天照大日孁貴尊と八坂瓊曲玉と…

口語訳 現代語訳 神道五部書 豊受太神御鎮座本紀 序

豐受太神御鎭座本紀一卷(以後、御鎭座本紀といふ。)は、奧書に乙乃古命(おとのこのみこと)の二男大神主飛鳥(あすか)が記したとある。ただ、今日では奧書は信じられてをらず、鎌倉初期の作とされる。この口語譯は增補大神宮叢書17 度會神道大成 前篇所󠄃…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十三 完

嘗て、大田命が皇大神宮御鎭座の時に、參上して狹長田(さながた)の御戸代田(みとしろた)を獻上して、地主となつて仕へた。三節祭と春秋の神御衣祭(かむみそのまつり)、臨時の幣帛、勅使參向の時に、太玉串と天八重榊を設けてお供へした。神代の古き制…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十二

豊受宮御井神社(とようけのみやのみゐじんじや) 右の御井は天二上之命(あめのふたがみのみこと)が琥珀の鉢で丁寧に汲み入れたもので、天より傳はつたものである。七星が羅列して護ること、天の宮の裝ひの樣である。皇太神と瓊瓊杵尊とが天下られた時、天…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十一

朝熊神社(あさくまじんじや)六座倭姬命が敬ひ祭つた神社である。 櫛玉命(くしたまのみこと)一座。倭姬命の御代に瑞玉を造つた。また、酒甕(かめ)を造つたともいふ。御神體は石である。 保於止志神(ほおとしのかみ)一座。倭姬命の御代に敬ひ祭つた神…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二十

倭姬命が礒宮(いそのみや)にいらした十一月、新甞祭の夜が更けてそばの者達が退出した後に、神主や物忌たちに仰せられた。「わたしは今夜皇太神と止由氣皇太神の神勅を承けた。以下の樣に託宣された。お前たち、正明の心で聞け。人は天下の神の寶である。…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十九

興玉神(おきたまのかみ)が託宣された。天照坐皇太神は大日孁貴である。故に日天子と申す。虛空がそのご正體である。故に天照太神と申し上げる。止由氣皇神は月天子である。故に金剛神と申す。また天御中主神(あめのみなかぬし)と申す。水の惠みで萬物に…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十八

次に倭姫命は神の敎へに從ひ、また太陽と月とを生んだ神鏡を鑄造されて、朝熊山神社に安置された。またこの時に、種々の神寶を鑄造され終つた。靈石を御神體とされた。總じて、大小の神々の御神體は、或るものは高天原、地上における靈物、或るものは雄略天…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十七

神鏡の事 一面は、月よりもたらされた鏡である。圓形である。三光天子(日天子・月天子・明星天子)と五匹の飛龍が守護してゐる。これは天鏡命が鑄造した白銅鏡である。月で造られた三面の内の一つである。止由氣宮でお祭りしてゐる。大田命がいふには、崇神…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十六

また御命令になられた。神主や物忌(ものいみ)の職にある人たちは、諸々の祭の物忌の時は、諸々の穢れに觸れてはならないし、見てはならないし、聞いてはならない。弔問をしてはならない。弔辭を述べてはならない。佛法の言葉を忌み、動物の肉を食べてはな…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十五

高貴神(たかぎのかみ 高御産靈尊)が託宣されて、大土祖衢神(おほつちみおやちまたのかみ)等に告げさせられた。「天照太神は火の氣を掌る神で、本來の光を柔らげられ、地上の不淨な塵に身を置かれながらも、萬民の願望を充足される。止由氣太神は水の氣を…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十四

倭姬命と大田命とは、幣帛を澤山積んで、朝廷の御位が長久で岩の樣に堅固なものにとお祈りし、生き生きとした御代でご多幸であれと、高天原の神慮による靈威な詞で、諸々の穢れを忌詞(いみことば)と定められて、大神主大佐々命(おほささのみこと)や物忌…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十三

相殿神三座左は天津彥々火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)。大八洲(おほやしま)の主である。右は天古兒屋命と太玉命とである。各々天神地祇の中で、特に皇孫に忠義を盡される神である。 多賀宮一座止由氣皇神(とゆけのすめがみ)の荒御魂で…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十一

崇神天皇三十九年壬戌に、天照大神を但波の與佐宮に遷座された。止由氣皇神が天下られて、輝きを合はせられ、德を等しくされる樣は、天之小宮(あまのわかみや)のやうで、一箇所に竝び御鎭座されてゐた。時に、和久産巢日神の子豐受姬命穀靈神である。御神…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十二の続き

の要である。神明の德である。故に龍神土神各一座が守護神となつてゐる。太いのを立て、高天原に千木をそばだたせて、鎭まり定まりなさると稱辭を盡してお祭りした。 また神寶の是非をよく見定めて、兵器の吉凶を占ひ定めて、御幣物とした。さらに神地神戸を…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十二

雄略天皇二十一年十月一日、倭姬命に夢のお告げがあつておつしやられるには、 「天照大神が、我は天の小宮(わかみや)での樣に居たいのに、地上では我一柱のみである。神饌(しんせん)も安心して食べることが出來ない。丹波國與佐之小見比沼之魚井之原に鎭…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その十

豐受皇太神一座。 天地開闢の初めに、高天原に神が御出現なされた。ある本によると、伊弉諾尊大自在天伊弉册尊と申す。古くは伊舎那天、伊舎那天妃と申す。二神は先づ大八洲(おほやしま)を御生みになつた。次に海の神水天童子難陀竜王を生み、次に河の神を…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その九

攝神(せつしん) 荒祭宮一座皇太神の荒御魂である。伊弉諾尊が筑紫の日向の小戸橘の檍原(あはぎはら)に到つて、禊(みそぎ)された時、左目を洗はれたことで、日の君主がお生まれになつた。大日孁貴(おほひるめのむち)である。御名を、天下られて後は天…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その八

天照座皇太神(あまてらしますすめおほみかみ)一座また大日孁貴とも申す。 相殿神二座左天兒屋命の御魂。後座である(意味不明)。右太玉命の御魂。 御戸開前神二座左天手力男神の御魂。前社である(意味不明)。右萬幡豐秋津姬命の御魂。 御門神(みかどの…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その七

倭姬命はおつしやられた。「その道理は明白です。それは遙か昔、この天地の始祖天照皇太神と天御中主神である。と神魯伎命と神魯美命が誓宣(うけひ)をされて、地上の國の内に、伊勢の加佐波夜(かさはや)の國は素晴らしい宮所があると、見定められて、高…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その六

第十一代垂仁天皇二十五年三月に、(皇大神宮の御神體は)伊勢國飯野高宮より伊蘇宮に遷りになつた。その時に倭姬命がおつしやられた。「伊勢國の南の山中を見られて、宮地として良い場所を探し求められた。」 この年、猿田彥大神が參り來て、祝福して敎へ申…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その五

第十代崇神天皇の御代になつて、やうやく天皇は神威を恐れられる樣になられ、御殿が同じでは不安で居たたまれなくなられた。そこで改めて、齋部(いむべ)氏に、石凝姥神の末裔と天目一箇(あめのまひとつ)の末裔である二氏に、天香山(あめのかぐやま)の…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その四

神武天皇葺不合尊(ふきあへずのみこと)の第四子である。母は玉依姬で、海神の娘である。は、元年十月に、(日向國から)大和國へ向けて出發された。辛酉正月に(大和國の)橿原に都を造られて、御殿を造營された。初代神武天皇より、第九代開化天皇に至る…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その三 皇孫

昔、天照大神と天御中主神とは高天原の神々の御意向を受けて、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)天照大神の御子である忍穗耳尊の御子である。母は天御中主神の御子高皇産靈尊の娘である拷幡豐秋津姬命(たくはたとよあきつひめのみこと)である。に、八坂瓊の曲玉…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その二 猿田彦の名のり

「押しなべて、天地開闢の事は、偉大な人々が書き記してゐる。だが、ここ伊勢の天照皇太神が五十鈴の川上に御鎭座せられ、社殿を造つた事績は書き著はされることがなかつたので、そのはじめは遙か遠いこととなつてしまひ、御鎭座のことわりは言ひにくい。ど…

口語訳 現代語訳 神道五部書 御鎮座伝記 その一

伊勢二所皇大神御鎭座傳記 垂仁天皇の皇女である倭姬命(やまとひめのみこと)が伊勢國度會の宇治の五十鈴川上の邊(あた)りに磯宮(いそのみや)を立てていらしやつた時に、狹長田(さなだ)の猨田彥大神(さるたひこのおほかみ)宇遲土公氏人(うぢとこの…